養生という言葉には、①工事が仕上がった部分を汚損から保護すること、②後の作業をやりやすくすることという2つの意味があります。養生の方法は様々で、床には養生ボードや養生シート、柱には柱養生、また種類が様々な養生テープなどで、養生作業を行います。
①
(※床に貼られているのが養生シート、両側の柱に巻かれているスポンジ状のものが柱養生です。これでよっぽどの強い衝撃を与えない限り壁や柱に傷はつかず、また汚れも防げます。)
②
(※基礎工事中の写真です。鉄骨の柱を固定するネジ部分にテープが巻かれています。このテープを巻いてないと、コンクリ打ち工事中にコンクリがこのネジ部分について固まり、ボルトを占める時にコンクリがかんで占められなくなるので、それを除去する作業をしなければなりません。そのため時間のロスができます。)
最近では、とある現場で階段との取り合いの関係で、先にクロスを貼らなければならない部分がありました。クロス貼りは、内部工事に大体けりがついた後に行うものなのですが、今回は貼った後にも大きな工事が続くので、しっかりその部分を養生しなければなりませんでした。クロスを汚したり傷つけたりしては大変ですし、太陽の光でクロスが焼けて色が変わっても困ります。
最初は床に使う養生ボードを貼ろうということで作業していました。ですが養生ボードだと、どれだけテープで固定していてもボードの重みで外れてしまうのです。なので大工さんと相談して、表面がスポンジ状になっている養生シートを使いました。普段は床に使うものなのですが、これなら軽いしクッション性もあり、光も通さないのでこの現場のクロス部分の養生にぴったりでした。こういうふうに現場の状況に応じて養生の方法を考え、養生材料の使い方をアレンジしたりするのも現場管理には大切です。
養生に関していろいろ述べさせてもらいましたが、僕が思うに現場への愛情が無ければきちんとした養生はできないと思います。ただ作業をこなすだけでなく、仕上がった場所を守ってやろうとか、次に作業する人がしやすいようにしようとか、そういう思いやりをもってすれば最終的によい形となって現れると思います。それは建築に限らず、すべての事に言えることだと思います。さぁ皆さん、愛をもって仕事に取り組んで参りましょう!
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